1079276 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

日本語にない音だらけ

発音が一番の土台、とは言ったが、誤解しないで頂きたいのは、
「つねに正しい発音でしゃべらなければいけない」
と言っているわけではない、ということである。

「発音なんかあんまり気にしないで、文法的な細かいことも気にしないで、とにかくしゃべれ」ということ自体はまったく正しい。たしかに日本人の欠点として、細かいことにとらわれて英語が口から一言もでてこないというようなことは多いと思う。が、実際にしゃべるチャンスがある場合には、細かいことにとらわれて言葉が出てこないよりは、日本人英語の発音バリバリでもなんでも、とにかくコミュニケーションを図ろうとするほうがいい。コミュニケーションというものは言葉のみで行うわけではないし、大概の場合、ひどい発音であってもなんとか通じるものである。

だが、ネイティブスピーカーの友人や恋人ができるとかでそういう状態が日常的に続くのでもない限りは、そこから進歩して「英語がしゃべれる」と言える状態になるのは容易ではない。

それにまた、日本人の中には、「とにかくしゃべれ」とか「間違いを気にするな」とか言われてもなあ・・・という人も多いと思う。度胸があり、恥をかいても気にしないという性格の人は放っておいても必要があれば英語が上達する。ほんとうは、そういう性格になれ!というのが英語上達に有効なアドバイスなのだろうが、いや、それはかえって難しいよね。

最近つくづく思っているのは、英語に限らず、性格や考え方を変えることが有効だったり必要だったりすることはたしかにある、だが、それを「変えろ」と言われ「変えよう」とすぐにできるくらいならだれも苦労しない、ということだ。最終的には、性格やものの考え方を変えることを目指すのだが、その方法論として、少しだけ回り道に見えるが、とっつきやすくかつ具体的な行動をとったほうがいい。たとえば、度胸をつけるためにはまず先に自信が持てるように自分である程度トレーニングをしておく、ということだ。具体的な成果がわかりやすい方が、結果的には早いのである。そのためには、英語については「発音を意識する」ということが第一歩だと、私は思うのである。

******
さて、そもそも、
「発音できない音は聞いても認識できない」
というのが原則だ。
英語には、日本語のシステムに存在しない音が多用されている。"th"とか"r"とかl"、"f"や"v"がその代表であるが、実はこれ以外でも、というより殆どの音が(!)日本語のシステムに存在しないと言ってもいいくらいなのである。

Do you like spaghetti?

例によって字で見れば簡単だ。だがこれを何の状況設定もなしに聞いてもらっても、多くの人は首を傾げる。かろうじてDo you likeの部分が認識できる人はまあ少なくないが、その後の部分が日本語で言う「スパゲッティ」であると聞き取れる人は、英語のビギナーにはなかなかいない。
「ドゥーユーライク・・・・ゲ・・リ?」
たいがいの人がこういう反応だ。
spaの部分がほとんど聞き取れない。sとpの間に母音がなく、pのあとのaも非常に弱い母音なので、無声音であるsとpだけでは、日本人の脳は認識できないのだ。


日本語をローマ字で表記するとき、母音以外は、ka ki ku ke ko のように、2つのアルファベットで表すことになる。子音+母音、ということで、それが日本の文字では1文字という最小単位となっている。つまり日本語の音には、必ず母音が含まれているのだ。日本人は「母音を認識している」のである。

だが、欧米語ではアルファベットの1文字が1つの音として認識される。母音を伴わない子音だけの発音が当然あるのである。「ストロング」と言えば、sutoronguで、母音は4つある(nは母音でも子音でもない)。
が、英語のstrongには母音はたった1つ。母音を認識する日本人の耳には、真ん中の「ron」しか分からない。かろうじて最初のSの息の音が聞こえても
He's strong!は
「ヒズ ソオン?」
としか聞こえず、なんじゃそら、となる。

母音をつけた状態でなら日本語にも存在する k, s, t, p, g, z, d, b,なども、子音として独立した状態では「日本語には存在しない」音となり、日本人の脳が認識しない。

ではどうしたらいいのか? トレーニングするしかない、のである。
そのことについては、次回をお楽しみに。

前へ
次へ


© Rakuten Group, Inc.